螺旋階段 -34ページ目
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思い上がりもいいところ

忙しさを誇るなどというのは、
思い上がりもいいところなのである。
(曽野綾子「近ごろ好きな言葉」より)



基本的に、私は忙しくしている方が好きな人間だ。
暇だと、緩慢に飼い殺されているような気分になる。
でも、ふと気付くと、
手帳が予定で一杯の自分をどこか誇らしげに思っていたりする時がある。
私はこんなに色々出来るのよ、しているのよ、
これだけ必要とされているのよ、と。
そのことに自分で気付くことが出来ればまだいいのだけれど、
大体は気付いていない。
だからこそ、忘れずにいたい言葉。
(2004)

著者: 曽野 綾子
タイトル: 近ごろ好きな言葉―夜明けの新聞の匂い

自分で取りかえせ

「甘ったれるな!
キミらは信用をなくしたんだ。
そんなもの、だれかが助けてくれてあたえてくれるとおもうなよ。
みずきの信用取りかえしたきゃ、自分で取りかえせ!!」
(西山優理子「Harlem Beat」第1巻より)



ガリ勉眼鏡の運動音痴から、
都2位のバスケットボールチームのエースに変身した努力の人、
桜井からの叱責。
耳に痛い。誰かに信じて貰えなくなってしまった時、
その相手を責める人が居るけれど、それは間違いなのだ。
信じてくれない相手が悪いのではなくて、
信じて貰えない自分が悪いのだ。
信用だけは、誰にも与えて貰うことが出来ない。
あくまでも、自分の努力で勝ち取るしかないのだ。
一度失ってしまったなら、尚更。
それは果てしなく険しい道かもしれない、けれど。
(2004.12.28)


著者: 西山 優里子
タイトル: Harlem beat (1)

人を殺そうと思います

アタシは今日はじめて、
人を殺そうと思います。
(峰倉かずや「WILD ADAPTER」第2巻より)



死んだ恋人の子供を堕胎しようと決意した少女、
沙織のモノローグ。
個人的には堕胎には大いに疑問があるけれど、
どうせ堕ろすなら、ここまでの覚悟を持ってして欲しい、と思う時がある。
物事の綺麗な面だけを見て生きていく生き方もあるだろう、
だが、私は本当のことを見詰めたい。
……でも、堕胎が法律で認められている以上、
それを行う人に向かってとやかく言う権利は私には無いのだ。(2004)



著者: 峰倉 かずや
タイトル: WILD ADAPTER 2 (2)

面白くなきゃさ

会いたいっていうのは、
例えばどこかの浮浪者でも会いたいやつがいるかもしれない。
つまり人間として面白くなきゃさ。
(村上龍・坂本龍一「E.V.Cafe」講談社文庫より)



どんな肩書きを持っていようと、
その人の基本的な人間性とは関係無い。
どんな偉い人とよりも、
出来るだけ面白い人と関係を保っていきたい、
と思う今日この頃。(2004)



著者: 村上 龍, 坂本 龍一
タイトル: EV.Caf´e―超進化論

今は自由

相変わらず私はひとりで
あての無い歌に身をまかせて
そして今日も私はひとりで
なつかしい歌を口ずさんで
あふれすぎて役にも立たずに
流れ去るだけの水のようにただ
今は自由
(篠原美也子「water」/アルバム「新しい羽根がついた日」収録)



人間は誰だってひとりで生まれて、ひとりで死んでゆく。
相変わらず、今日も、ひとりで、この先のあてなんて何も無くて、
役にも立たずに、ただ流されて。
それは限りなく淋しくて、限りなく自由で、どこまでも孤独で。
ただ、人は生きてゆく。
(2004/2005.3.7追記)




アーティスト: 篠原美也子
タイトル: 新しい羽根がついた日

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