螺旋階段 -33ページ目

すべてはどうしようもなく

うらやましくないと言えば嘘で
追いつきたいと言っても嘘で
あたしはどうしようもなく 重ねた日々の果て
満足していると言えば嘘で
淋しくないと言っても嘘で
すべてはどうしようもなく
(篠原美也子/アルバム「種と果実」収録「30's blue」より)



羨ましい、追いつきたくはない、
満足していない、淋しい、
結局はそうなのだ。
羨ましいけれど、追いつきたくはない。
だけれど満足しているわけでもない。淋しい。
もう本当に全てはただただ、ひたすらどうしようもないだけで。
そういった中でもただ淡々と生きてゆく強さが欲しい、切実にそう思う。
(2004)




アーティスト: 篠原美也子
タイトル: 種と果実

愛だよ愛!!

「言われたことしかできねんなら、
こんな商売やめちまえよゴラァ!
オレが見てえのはその先だその先ィ!!
気がきくってのはなあ、想像力なんだよ想像力!!
わかるか?! 愛だよ愛!!
こなしてんじゃねーぞ</b>このデブが!!」
(日本橋ヨヲコ「G戦場ヘヴンズドア」第2巻より)



言われたことをこなすだけなら、場数を踏めば誰でも出来る。
そこから後、どれだけ気を利かせられるかが勝負。
ちなみに私は大変に気が利かない。
多分、他人への愛が物凄く足りない。
愛しているつもりでも、本当はちゃんと愛せていない。
「愛している」とどれだけ囁いても、本当はちゃんと愛する術を知らない。
この次はちゃんと愛そう、そう思って、
ふと、ちゃんと今、目の前に居る人を愛しているのか?
そんな疑念に駆られた。
(2004)




著者: 日本橋 ヨヲコ
タイトル: G戦場ヘヴンズドア 2 (2)

たましいが腐るから

「いやだなあと思うこと、
そのままにしてたら、
たましいが腐るから」
(日本橋ヨヲコ「極東学園天国」第1巻より)



我が身に火の粉が降りかかるのも構わず、
「お節介」をしたシンゴに、後の親友となるリーチが
「善人ぶって、カッコつけてっと、やってけねーぞ、ここじゃ」
と言ったのに対してのシンゴの返答。
多分、嫌なことを嫌と言えない人は、
精神科の病気になる可能性が高いように思う。
たましいの健康の為には、嫌なことは嫌と言うのが重要。
そして、寧ろその態度こそが誠実ということなのではないか、
と最近は思っている。
(2004)




著者: 日本橋 ヨヲコ
タイトル: 極東学園天国 1 (1)

今一番怖いことは

(今一番怖いことは?)
「守りに入ること」
(B'z Unreal Music「B'z ELEVEN」より松本孝弘の発言)



何でこのおじさん(と呼んでも許される年齢だろう)は、
こんなにも前向きなのか。見習いたい……。
やはり何らかの成功をおさめている人というのは、
前向き思考の人が多いような気がする。
この本、引っ越しの時に間違って捨ててしまった様子。
古本屋で探そうか。
(2004)

つまらない

「一般論に引きずられるとつまらない」
(日経WOMAN207号より大平健の発言)



それでも気になるのが、世間の目、一般論。
「普通」であるということの重みと軽さ。
「普通ではない」ことのしんどさ。
それでも、やっぱりそれに引きずられると、
人生は主体性を失い、つまらなくなるだろう。
世界中に背中を向けても、凛としていられるだけの強さが欲しい。
(2004)

朝を待たなくなって

いつでもそっと手がかりをくれた夜は
いつしかただ眠るだけのものになった
朝を待たなくなってどのくらい経つのだろう
(篠原美也子/アルバム「種と果実」収録「サヨナラ」より)



昔から寝付きが悪い方だった。
けれど、以前は眠れない時間も考え事をする楽しい時間だったように思う。
病棟で働くようになって夜勤を始めて、
夜がただひたすら早く朝が来ればいい、と願うだけになって、
そのうちに不眠を来たし、夜眠れないことにひどく怯えるようになった。
そして職場を変わって徐々に朝になって出勤することが怖くなり、
かつては心地良かった朝の目覚めもただの恐怖の時に変わっていった。
穏やかな夜を失って、清々しい朝も失ってしまったように思う。
朝目覚めた時、どう思うかで、
その人が自分の人生をどうとらえているかが分かる、のかもしれない。
(2004)




アーティスト: 篠原美也子
タイトル: 種と果実

高くあれ

It's a spiral stairway 空に向かい
ゼロを描きながら続く階段
Nothing means everything 踏み出して行く
ゼロを描きながらはるか果てなく
It's a spiral stairway 昨日よりも
ほんのわずかでいい 高くあれ
(篠原美也子/アルバム「SPIRAL」収録「S」より)



これがもしかしたら向上心というものかもしれない、と思ったりする。
昨日よりも、ほんのわずかでいい、高くあれ。
そう、願い続けることが。
いつまでも同じことの繰り返しのように思えても、
同じところに戻ってきてしまうように感じられても、
それでもほんの僅かでいい、高いところへ、と望むことが。
(2004)




アーティスト: 篠原美也子
タイトル: SPIRAL

いつか死ねることの慰め

いつか死ねることの慰め
(谷川俊太郎「対詩」収録の詩の題名)



谷川俊太郎が言うように、
いつか死ねることというのは、
人間にとって最後の慰めなのかもしれない。
でも、敢えて死に急ぐ必要は無い。
いつか死ねることの慰め、は、
生きている限りずっと一緒に存在してくれるのだから。
いつか死ねる日を思いながら、
頼りない足取りでも生き続けていくことが必要なのだ。
(2004)

同じ思いで行けるだろうか

そして私はずっとずっと
同じ思いで行けるだろうか
(篠原美也子「月と坂道」/アルバム「種と果実」収録より)



一所懸命誰かを追いかけている時、
その人の背中がいつまで自分の視界の中に留まっていてくれるのだろう、
と不安になることがよくある。
でも実は見失い易いのはその人の背中ではなく、
その人を追いかけ続けようとする自分の思いだったりする。
頑張ってその背中について行く気力が無くなってしまうことが、
本当は背中自体を見失うことよりずっと怖いことなのだ、
ということに最近気付いた。
ちなみにこの曲はどうしようもなく切ない、
「いつか」という歌声の繰り返しが耳を離れなくなる名曲なのだが、
決して明るくもノリが良くもないこの曲を、
ソロライブの冒頭に持ってくる篠原美也子、
ライブ自体には残念ながら仕事で行けなかったけれど、
後日発表された曲目リストを見て、
流石、と思ったことを覚えている。
(2004)




アーティスト: 篠原美也子
タイトル: 種と果実

また新しい朝

今日に続く明日 山を越えた夜の
そのむこうがわに まだ眠っている
太陽昇れば また新しい朝
今日がどんな日でも 同じひとつの朝
(ZABADAK「Tin Waltz」/アルバム「Pieces of the Moon」収録より)



私に背中しか向けてくれない相手に疲れてしまい、
生まれて初めて誰かとの関係を自分から切り離したことがあった。
別れを決めた次の日は、それまで生きていた中で一番悲しくて、
一体どうやってその後生きていけばいいのかさっぱり分からなかった。
けれども相変わらず仕事は忙しかったし、
時間はそれまでと同じように流れる。
それは一見残酷なことのようだけれど、
同時に最大の恩寵なのではないか、と思う。
今日がどんな土砂降りの日でも、新しい明日は必ずやって来る。
それは非常に冷酷だけれど、最後の素晴らしい救いなのかも、しれない。
(2004)




アーティスト: ZABADAK
タイトル: Pieces Of The Moon-ZABADAK special Issue-