決断を迫られる機会が多いのは女のほう
今、決断を迫られる機会が多いのは女のほうだと思う。
(村上龍「ダメな女」光文社文庫より)
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これは、本当のことだと思う。
その大きな原因は、恐らく出産。
産まれた時から(もしかしたら母胎に居る時から)卵子を持っていて、
後は古びていくその卵子と一緒に生きるしかない女は、
かなりの年齢まで出産を考えることが出来る男と違って、
出産の期限というものを考えざるを得ない。
だから、それに伴って結婚や仕事のことを考えて、
決断しなければいけなくなるのだと思う。
毎月月経が来る度に、どうして産むあてもないのに、
こうして月経を受け入れなければいけないのだろう、と思うけれど、
そして女は決断を迫られるから辛いと思うのも事実だけれど、
だからといって、男になりたいとか男として産まれれば良かった、
とは、私は思わない。
(2006.2.19.)
- 村上 龍
- ダメな女