自分の実際の力量 | 螺旋階段

自分の実際の力量

常に奇蹟を追いもとめるということは、
気がつくたびに落胆するということの裏と表で、
自分の実際の力量をハッキリ知るということぐらい悲しむべきことはないのだ。
(坂口安吾/堕落論/角川文庫より)



人間は多分、自分の力量を半分は把握して、
半分は把握出来ていないから、希望を持つことが出来るのだろう。
安吾が言うように、自分の力量を完全に把握してしまったら、
本当は絶望するしかないのではないだろうか。
今の自分の力量を正確に把握して、
それでも明るい未来を思い描くことが出来たなら、
それが本当の希望、なのかも、しれないけれど。
そう出来る精神力を持っていることが、
もしかしたら希望の本質、なのかもしれない。




坂口 安吾
堕落論